こんにちは。　賃貸物件管理担当の杉浦です。
５月からこちらの部署に異動になりました。よろしくお願いします。
そして、コラムをご覧いただきありがとうございます。
弊社は知立市を中心に不動産に関するサポートを行っている「住まいる大家族　野村開発株式会社」です。

「自力救済の禁止」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。
例えば自分の自転車等が盗まれてしまい、探していたところコンビニで発見！
その自転車を持ち帰った場合、特に問題がなく思えますが、これは自力救済にあたり不法行為に当たる可能性があります。
自力救済の観点からすると、自転車を取り戻すためには、法的手段をとって公権力を行使しなければ取り戻すことは出来ません。
自分の自転車を取り戻すだけなのに、法的手段をとっていては時間も費用も掛かってしまいます。

アパートの管理業務でも、この自力救済の禁止は関係してきます。
例えば、家賃の滞納があり請求しても支払ってくれないことがあります。
契約書には、「賃貸借契約書に２カ月以上の滞納が発生した場合契約解除します」と記載があるとします。
そこで、管理会社やオーナー様が玄関のカギを交換して、入居者の鍵で開錠できなくして入室させないようにする・・・
この事例は自力救済であり、違法な行為にあたる可能性があります。

又、滞納等の理由により夜逃げをして荷物を残された場合、その荷物も夜逃げをした本人の承諾がないと撤去する事が出来ません。
残置物があった場合、新たにリフォームをして賃貸する事も出来ません。
損害賠償請求をしたい位です。
そこで、その残存物を撤去すると、入居者が後になって「高価な物があったはず、勝手に捨てたな」といわれ、逆に損害賠償を請求される可能性があります。

このような場合でも、法的手続きをとらなければなりません。
訴訟を提起して、判決を得てから撤去しなければなりません。
入居者が滞納しているにもかかわらず、貸主は時間と費用を要しなければなりません。
借主も、連帯保証人も連絡がとれないだけでなく所在がつかめないといった場合、このような事態に至ります。

特に以前のものに多いのですが、普通契約といって、一度賃貸契約を交わした後は自動更新というものがあります。
特に問題がないと、契約内容はそのまま引き継がれます。
ずっと同じ保証人ですと、携帯電話の番号が変わっていたり、引越ししていたり、また高齢で亡くなっていたり・・・。
このように、責任を追及できないような状態になっている事があります。

このような事態を回避するために、定期的に契約状況を確認できるよう、期間を決めての契約書のまき直し（※）や、２年の定期借家期間等にして、その都度内容の確認をする事が重要と思います。
また、契約形態も以前はお身内の方による保証人から、家賃保証会社へ加入していただくことが多くなり、それがスタンダードにもなってきています。

さらに、万が一の場合に備え、残置物処理に関する覚書等を交わしておく方法も有効かと思います。

アパートなど賃貸物件管理でお困りごとはありませんか？
高齢者入居、滞納、退去精算などの対応実績が多くございます。
お気軽にご相談ください。

野村開発株式会社　賃貸物件管理部門  杉浦寛之　　TEL　0566-81-1736

（※）「契約書のまき直し」とは、不動産業界でよく使われる表現です。すでに契約したものに対して、「契約書を改めて取り交わすこと」「契約内容を新しく変更すること」を指します。

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