【知立市/相続土地国庫帰属制度】相続は“もらう”から“選ぶ”時代へ 野村開発
こんにちは。行政書士の内村です。
コラムをご覧いただきありがとうございます。
弊社は知立市を中心に不動産に関するサポートを行っている「住まいる大家族 野村開発株式会社」です。
毎回終活にまつわるテーマでコラムをお届けしています。
今回は、先日中日新聞に掲載されていた「相続土地国庫帰属制度 ― 「いらない土地」をどうするか」という記事について。
ご紹介しながら、仕組みとポイントを解説します。
「親から相続した土地をどうするか」
これは今や多くの家庭で直面する現実的なテーマです。
農地や山林、最近特にご相談の多い別荘用地や使わなくなった実家の土地…。
維持管理が難しい土地を相続してしまい、困っている人は少なくありません。
そうした背景から2023年に始まったのが、相続土地国庫帰属制度です。
これは、相続や遺贈で取得した土地を「いらない」と判断した場合に、一定の条件を満たせば国に引き取ってもらえる制度です。
制度開始から2年あまりが経ち、中日新聞(2025年8月24日付)でも利用状況や課題が報じられました。
今回はこの制度の仕組みや現状、そして私たちがどう向き合えばよいのかを考えてみましょう。
制度の概要
相続土地国庫帰属制度は、法務局に申請することで土地を国に引き取ってもらえる仕組みです。
ただし、どんな土地でも受け入れてもらえるわけではありません。
対象となる土地
・相続や遺贈で取得した土地(売買などでは不可)
・建物が建っていない土地
・権利関係が複雑でない土地(共有者全員の同意が必要)
・引き取ってもらえない土地
・他人の利用に必要な土地(通路、水路など)
・崖地や災害リスクの高い土地
・管理や処分に過大な費用を要する土地
・建物がある土地
費用
制度を利用するには、審査手数料(1筆あたり14,000円)と、土地の種類や面積に応じた負担金を支払います。
例えば宅地なら20㎡未満で約20万円程度、森林なら面積に応じて数十万円になることもあります。
なぜ注目されるのか
相続で受け継ぐ土地は「資産」になる一方、使い道がなく維持費や固定資産税だけがかかる「負担」となる場合もあります。
中日新聞の記事によれば、東海地方でも「遠方の山林を相続したが使い道がない」「農業をやめて耕作放棄地になった」といった声が寄せられているそうです。
特に地方では、空き家問題と並んで「いらない土地」の問題が深刻化しています。
誰も管理しない土地は雑草が生い茂り、不法投棄や害虫発生の温床となり、周辺住民にも迷惑をかけます。
国庫帰属制度は、こうした問題の“出口”として期待されています。
利用状況と課題
ただし、実際に制度を利用する人はまだ限られています。
利用が進まない理由として
費用が高い
「いらない土地なのに数十万円を支払う必要がある」という点が大きなハードルです。
対象外が多い
崖地や樹木の多い山林など、そもそも国が引き取りたがらない土地は申請しても認められません。
手続きの煩雑さ
申請には境界や権利関係の整理が必要で、法務局での審査もあります。
一般の人にとってはハードルが高いのが現状です。
中日新聞の記事でも「制度を知っていても、実際に使える人は限られる」という声が紹介されていました。
利用した方がよいケース
とはいえ、全く使えない制度というわけではありません。
・遠方に小規模な宅地を相続したが利用予定がない
・管理が難しい農地を今後耕作する予定がない
・子どもに土地を引き継がせたくない
こうしたケースでは、たとえ費用がかかっても「将来の負担を断ち切れる」点で有効です。
特に相続人がいない、あるいは子世代が県外で生活している場合は、早めに利用を検討する価値があるでしょう。
代替策も検討を
制度を利用できない場合や、費用負担が大きいと感じる場合には、他の方法もあります。
・売却:低価格でも買い手がつけば資産を手放せる。
・寄付:自治体やNPOに寄付できるケースも。
・管理委託:民間業者に草刈りや管理を委託して維持する。
国庫帰属制度はあくまで一つの選択肢にすぎず、「利用できなかったから終わり」ではありません。
複数の手段を比較して、自分の事情に合った対応を考えることが大切です。
制度の課題と今後
制度開始から2年余り。
実際に申請があっても、引き取りが認められる割合は高くないのが現実です。
国としても無制限に土地を抱えるわけにはいかず、「条件の厳しさ」と「利用したい人のニーズ」との間にギャップがあるのです。
一方で、少子高齢化が進む中、「相続したくない土地」の問題はますます広がっていきます。
今後は、
・負担金の見直し
・自治体による独自の受け皿制度
・民間との連携による土地再生プロジェクト
といった工夫が求められるでしょう。
相続は「もらう」ではなく「選ぶ」時代へ
相続土地国庫帰属制度は、土地を「持たない」という選択肢を公式に認めた点で大きな意義があります。
ただし、現状では利用条件や費用が厳しく、すべての人にとって万能の解決策とは言えません。
それでも、「子どもに迷惑をかけたくない」「遠方の土地を管理できない」という人にとっては、将来の安心を得られる手段となり得ます。
相続はこれまで「親からもらうもの」と考えられてきましたが、これからは「引き継ぐかどうかを選ぶもの」へと変わりつつあります。
土地を資産として活かすのか、国に返すのか。
どちらを選ぶにしても、早めに家族で話し合い、専門家に相談することが、未来の安心につながるでしょう。
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